unlucky? 4
「な、なにすっ…」
「へぇ…あれ見て、興奮した?」
「っ…んッ」
ぎゅ、ともう一度力を入れられ、唇を噛んで息を詰めた。
動かされる手を震える手で掴むと、ジョミーは緩く首を横に降った。
「やめ…ッさわる、な…!」
「どうして?気持ちよくない?」
「そういうことじゃ、なくてッ」
微笑みながら首を傾げる彼は、弄る手を止めようとはしない。
それどころか、強弱をつけて揉み込む様に動かし始めた。
若い上に快感に慣れていないジョミーが、刺激を受けて平然としていられる訳がなく。
「…固く、なったね」
形の良い唇から紡がれた言葉に、ジョミーはカッと頬を染めた。
恥ずかしくて、堪らない。
唇を噛んで屈辱に耐えていると、彼がくすくすと笑いながら言った。
「ジョミーは、セックス、したことあるかい?」
「……は!?」
ジョミーは隣に座る彼を信じられないという瞳で見た。
そんなこと、普通は聞かないだろう。
そういうことを言って笑い合う仲でもない。
微笑み続けている彼は、ジョミーが答えるまでじっと見つめている気だ。
(あるかって言われても…あるわけないっていうか…ブルーさんは、あるのかな…)
「あるわけ、ないだろっ…まだ高一なのに…っ…」
「ふぅん。ないんだ。」
そう、と呟いた彼は、机の上に置いていたグラスに手を伸ばすと、半分ほど残っていたワインをぐいっと呷った。
そしてカタンと音を立ててそれをテーブルに戻して、ジョミーに言った。
「じゃあ、僕が教えてあげるよ」
(………聞き間違い?)
「え?」
「だから、僕が君にセックスを教えてあげるよ」
「………はぁ!?い、いらないッ」
「どうして?初めてで失敗したら恥ずかしいだろう?」
「いやいやいや!そんな困ってないし、え、ちょ、無理だって…!」
そういうことは、自然にするものであって、教えたり教えられたりするものではないと思っていたジョミー。
想い合う相手でもないのに、そんなことは出来ない。
だいたい、自分は相手がいないから良いけれど、ブルーの場合は彼女が泣くだろう。
いくら三週間外に出られず、彼女に会えないからと言って、自分の彼氏が男に手をだしたら――――…。
痴情のもつれに巻き込まれるのは御免だ。
ジョミーは必死に首を横に振り続けた。
「や、ダメですって!」
「…ジョミーは、僕が嫌いかい?」
切なそうにブルーの表情が歪む。
「え、そんなことないです!でもそれとこれとは……っ」
その先の言葉は、発することが出来なかった。
ジョミーの唇が、塞がれたからだ。
それも、ブルーの唇によって―――。
「ん!?っ…ん、んん」
何度も何度も角度を変えて食まれ、ジョミーは息苦しさに眉を顰めた。
(お酒くさっ…)
ブルーの舌がジョミーの舌に触れるたび、苦い味を拾ってしまう。
きっと、ブルーの飲んでいたワインの味だ。
こんな苦いものを飲むなんて、大人の味覚はよく分からない。
首を振って離れようとするのだが、ブルーの手が首の後ろに回されて、逃れられない。
口内を荒らされ、舌を吸われて。
ジョミーは段々自分の頭がぼうっとしてくるのを感じていた。
(へんなかんじ…)
赤の他人と唇を合わせ、舌まで絡ませているなんて。
普通に考えると、とても気持ち悪いことのように思えるのに。
不思議と嫌悪感は感じない。
寧ろ、とても気持ちいいように思える。
「ふ、んぅ…んッ」
つつ、と上顎を舌でなぞられて。
ぞくぞくと感じる感覚に襲われながらもブルーの体を押し返すと、ゆっくりと彼の唇は離れていった。
「はぁッ…はぁ…ぶるー、さん…酔ってる…?」
「………酔ってないよ」
「うそ、ぜったい酔ってる」
酔っていなければ、こんな風に同居している男の唇を奪ったりなんてしないだろう。
テレビ等で見かける酔っ払いは、決まって自分では“酔っていない”と言い張っているし。
絶対酔っていると決め付けて、ジョミーはブルーの下から抜け出そうと、ソファから立つと二の腕をがしりと掴まれて。
「…いたっ」
強い力で掴まれ、痛みに眉を顰めてジョミーはブルーを見た。
だが、暗くて彼の表情が分からない。
すると思い切り引き寄せられて、ジョミーは盛大にソファの上へと倒れこんだ。
倒れこんだ拍子にジョミーの体はソファに寝転がるような形になってしまう。
そんなジョミーに、ブルーは再び口付けた。
「……っ!」
先程とは全然違う、荒っぽいキスだった。
息をつく暇もないほど貪られ、ジョミーの目尻からは生理的な涙が零れて。
ブルーの骨ばった指がその涙を掬い取った。
そしてその手がジョミーの頬から首へ、首から鎖骨へと下がってきた。
「っふぅ、ん」
シャツのボタンを外され、ジョミーは驚いてブルーの手首を掴んだ。
だが、力の入らない手では全く意味はなく、ブルーは順番にシャツのボタンを外してゆく。
そして最後のボタンが外され、ジョミーの上半身は外気に晒されてしまった。
無駄な肉のないジョミーの胸や腹をすっと撫ぜると、ブルーはジョミーのズボンの中に手を侵入させたのだった。
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沢山のエロスコール(笑)ありがとうございました!
頑張ってエロス書きますね^^